【ASMR】[地声] Ghost stories/soft spoken 怖い話3

『壁』

ある地方の女子高生が東京の大学に進学が決まり、東京に一人暮らしする事になりました。

とあるマンションで生活を始めているうちに、ある日部屋に小さな穴があいているのに気づきました。

その穴は隣の部屋に続いていて、何だろうと覗き込みました。すると、穴の向こうは真っ赤でした。

隣の部屋は赤い壁紙なのかな?と思いつつ次の日も、次の日も、その女子大生は小さな穴をのぞいていました。

いつ見ても赤かったので、隣の部屋が気になった女子大生は、マンションの大家さんに聞いてみることにしました。

「私の隣の部屋には、どういう人が住んでいるんですか?」すると大家さんは答えました。

「あなたの隣の部屋には、病気で目が真っ赤な人が住んでいますよ。」

『呪い真書』

呪い真書を手に入れた。冒頭にこう書いてある。

「これに書かれてある手順を実行すると、呪いが成就するが、手順を間違えるとその呪いは自分に返ってきます。あなたはそれでも実行しますか?」

勿論だ。

俺には許せない奴がいた。だからこそ、この呪い真書を手に入れたのだ。

俺は、呪いの手順を始めた。

「1.まずはじめに目を閉じて、呪いたい相手の顔を思い浮かべます」

忘れたくても忘れられるものか、と俺は奴の顔を思い浮かべた。

よし、次だ、どれどれ・・・

「2.どんな呪いをかけたいのか、思い浮かべます」

考え付く全ての苦痛を与え続けてやる。

よし、次だ。

「3.最後に目を開けます」

『霊感のある人』

ある所に男がいた。

彼は霊感が強く、所謂「見える」人だった。

ある日彼は3ヶ月ほど留守にしていた家に帰ってきた。

リビングに入った途端、信じられないほどの喉の渇きを覚え、 冷蔵庫の中にあったパック入り牛乳を一気に飲み干した。

最後の一滴を飲み込んだ後、彼は恐怖し、絶望した。

『夫の夢』

最近、夫の様子がおかしいんです。

毎日変なことを言います。「また同じ夢を見た」と。

どうやら夫は1ヶ月位、毎晩ずっと同じ夢を見ているらしいんです。

しかも、夢かどうかもわからないと言います。

夢の内容は、真夜中に布団で寝ていると、天井に自分と同じ見た目の人間が張り付いている。

それが自分なのかも分からない。

その人間が夫の方を向いて、”俺と替わってくれよ”と言うらしいのです。

なので夫は、毎日朝起きると「また同じ夢を見た」と言いげっそりしています。精神的にもつらそうでした。

でもある日、夫が朝起きて何も言わなかった日がありました。

私は、あれ?と思って「今日はあの夢見なかったの?」と聞くと夫は言ったんです。

「何の話?」と。

『賞金ゲーム』

男は、とあるゲームに参加しようとしていた。

支配人の説明によると、ゲームの内容はこうだ。

箱の中に大金が入れられており、それが賞金。

見事箱を空けることができれば、賞金をゲットできる。

箱はかなり頑丈で、人間の力だけで開けるのは不可能。

箱の周りにおいてある斧などを使えば開けられるとのこと。

時間制限はないらしい。

男は「ぜひ参加させてくれ」と即答した。

何故なら金が欲しかったし、参加することにリスクはないからだ。

参加するといった男に支配人は言った。

「実は、箱にたどり着くまでにはいくつかの難関があるんだ。

今回特別に5万払えば賞金のすぐそばからスタートさせてやるが、どうする?」

「そりゃ、5万払うだろ。結局は何百倍以上のお金が手に入るのだから。」

男はそう言って5万円を支配人に渡し、ゲームをスタートさせた。

スタートした瞬間から、賞金は男の目の前にあった。

*幕間*

『カンカン』

その当時私は小学生で、妹、姉、母親と一緒に、どこにでもあるような小さいアパート

に住んでいました。

夜になったらいつも畳の部屋で、家族揃って枕を並べて寝ていました。

ある夜、母親が体調を崩し、母に頼まれて私が消灯をすることになったのです。

洗面所と居間の電気を消し、テレビ等も消して、それから畳の部屋に行き、母に家中の電気を全て消した事を伝えてから、自分も布団に潜りました。

横では既に妹が寝ています。

普段よりもずっと早い就寝だったので、その時私はなかなか眠れず、しばらくの間

ぼーっと天井を眺めていました。

すると突然、静まり返った部屋で、「カン、カン」という変な音が響いたのです。

私は布団からガバッと起き、暗い部屋を見回しました。

しかし、そこには何もない。

「カン、カン」

少しして、さっきと同じ音がまた聞こえました。

どうやら居間の方から鳴ったようです。

隣にいた姉が「今の聞こえた?」と訊いてきました。

空耳などではなかったようです。

もう一度部屋の中を見回してみましたが、妹と母が寝ているだけで、部屋には何もありません。

おかしい・・・確かに金属のような音で、それもかなり近くで聞こえた。

姉もさっきの音が気になったらしく、「居間を見てみる」と言いました。

私も姉と一緒に寝室から出て、真っ暗な居間の中に入りました。

そしてキッチンの近くから、そっと居間を見ました。

そこで私達は見てしまったのです。

居間の中央にあるテーブル。いつも私達が食事を取ったり団欒したりするところ。

そのテーブルの上に、人が座っているのです。

こちらに背を向けているので顔までは判りません。

でも、腰の辺りまで伸びている長い髪の毛、ほっそりとした体格、

身につけている白い浴衣のような着物から、女であるということは判りました。

私はぞっとして姉の方を見ました。

姉は私の視線に少しも気付かず、その女に見入っていました。

その女は真っ暗な居間の中で、背筋をまっすぐに伸ばしたままテーブルの上に正座をしているようです。ぴくりとも動きません。

私は恐ろしさのあまり、足をガクガク震わせていました。

声を出してはいけない、もし出せば恐ろしい事になる。

その女は、こちらには全く振り向く気配もなく、ただ正座をしながら私達にその白い背中を向けているだけだった。

私はとうとう耐え切れず、「わぁーーーーーっ!!」と大声で何か叫びながら寝室に飛び込んだ。

母を叩き起こし、「居間に人がいる!」と泣き喚いた。

「どうしたの、こんな夜中に」そう言う母を引っ張って、居間に連れていった。

居間の明りを付けると、姉がテーブルの側に立っていた。

さっきの女はどこにも居ません。

テーブルの上もきちんと片付けられていて、何もありません。

しかし、そこにいた姉の目は虚ろでした。

今でもはっきりと、その時の姉の表情を覚えています。

私と違って、彼女は何かに怯えている様子はなく、テーブルの上だけをじっと見ていたのです。

母が姉に何があったのか尋ねてみたところ、「あそこに女の人がいた」とだけ言いました。

母は不思議そうな顔をして、テーブルを見ていましたが、「早く寝なさい」と言って3人で寝室に戻りました。

私は布団の中で考えました。アレを見て叫び、寝室に行って母を起こして居間に連れてきたちょっとの間、姉は居間でずっとアレを見ていたんだろうか?

姉の様子は普通じゃなかった。何か恐ろしいものを見たのでは?

そう思っていました。

そして次の日、姉に尋ねてみたのです。「お姉ちゃん、昨日のことなんだけど・・・」

そう訊いても姉は、何も答えません。

下を向いて、沈黙するばかり。私はしつこく質問しました。

すると姉は「あんたが大きな声を出したから・・・」

それ以来、姉は私に対して冷たくなりました。

話し掛ければ、いつも明るく反応してくれていたのに、無視される事が多くなりました。

そして、あの時の事を再び口にすることはありませんでした。

あの時、私の発した大声で、あの女はたぶん、姉の方を振り向いたのです。

姉は女と目が合ってしまったんだ。

きっと、想像出来ない程恐ろしいものを見てしまったのだ。

そう確信していましたが、時が経つにつれて次第にそのことも忘れていきました。

中学校に上がって受験生になった私は、毎日決まって自分の部屋で勉強するようになりました。

姉は県外の高校に進学し、寮で生活して、家に帰ってくることは滅多にありませんでした。

ある夜、遅くまで机に向かっていると、扉の方からノックとは違う、何かの音が聞こえました。

「カン、カン」

かなり微かな音です。金属っぽい音。

それが何なのか思い出した私は、全身にどっと冷や汗が吹き出ました。

これはアレだ。小さい頃に母が風邪をひいて、私が代わって消灯をした時の・・・

「カン、カン」

また鳴りました。扉の向こうから、さっきと全く同じ金属音。

私はいよいよ怖くなり、妹の部屋の壁を叩いて、「ちょっと、起きて!」と叫びました。

しかし妹はもう寝てしまっているのか、何の反応もありません。

母は最近ずっと早寝している。

とすれば、家の中でこの音に気付いているのは私だけ・・・。

独りだけ取り残されたような気分になりました。そしてもう1度あの音が。

「カン、カン」

私はついに、その音がどこで鳴っているのか分かってしまいました。

そっと部屋の扉を開けました。真っ暗な短い廊下の向こう側にある居間。

そこは、カーテンから漏れる青白い外の光で、ぼんやりと照らし出されていた。

キッチンの側から居間を覗くと、テーブルの上にあの女がいた。

幼い頃、姉と共に見た記憶が急速に蘇ってきました。

あの時と同じ姿で、女は白い着物を着て、すらっとした背筋をピンと立て、テーブルの上できちんと正座し、その後姿だけを私に見せていました。

「カン、カン」

今度ははっきりと、その女から聞こえました。

その時、私は声を出してしまいました。

何と言ったかは覚えていませんが、またも声を出してしまったのです。

すると、女は私を振り返りました。

女の顔と向き合った瞬間、私はもう気がおかしくなりそうでした。

その女の両目には、ちょうど目の中にぴったり収まる大きさの鉄釘が刺さっていた。

よく見ると、両手には鈍器のようなものが握られている。

そして口だけで笑いながらこう言った。

「あなたも・・・あなた達家族もお終いね。ふふふ」

次の日気がつくと、私は自分の部屋のベッドで寝ていました。

私は少しして昨日何があったのか思い出し、母に居間で寝ていた私を部屋まで運んでくれたのか、と聞いてみましたが、何のことだと言うのです。

妹に聞いても同じで、「どーせ寝ぼけたんでしょ」とけらけら笑われた。

しかも私が部屋の壁を叩いた時には、妹は既に熟睡してたとのことでした。

そんなはずない。

私は確かに居間でアレを見て、そこで意識を失ったはずです。

誰かが居間で倒れてる私を見つけて、ベッドに運んだとしか考えられない。

でも改めて思い出そうとしても頭がモヤモヤしていました。

ただ、最後のあのおぞましい表情と、ニヤリと笑った口から出た言葉ははっきり覚えていた。

私と、家族がお終いだと。

異変はその日のうちに起こりました。

私が夕方頃、学校から帰ってきて、玄関のドアを開けた時です。

いつもなら居間には母がいて、キッチンで夕食を作っているはずです。

なのに、居間の方は真っ暗でした。電気が消えています。

「お母さん、どこにいるのー?」

私は玄関からそう言いましたが、家の中はしんと静まりかえって、まるで人の気配がしません。

カギは開いているのに・・・掛け忘れて買い物にでも行ったのだろうか。

のんきな母なので、たまにこういう事もあるのです。

やれやれと思いながら、靴を脱いで家に上がろうとしたその瞬間。

「カン、カン」

居間の方で何かの音がしました。

私は全身の血という血が、一気に凍りついたような気がしました。

数年前と、そして昨日と全く同じあの音。ダメだ。

これ以上ここに居てはいけない。恐怖への本能が理性をかき消しました。

ドアを乱暴に開け、無我夢中でアパートの階段を駆け下りました。

一体、何があったのだろうか?お母さんは何処にいるの?妹は?

家族の事を考えて、さっきの音を何とか忘れようとしました。

これ以上アレの事を考えていると気が狂ってしまいそうだったのです。

すっかり暗くなった路地を走りに走った挙句、私は近くのスーパーに来ていました。

「お母さん、きっと買い物してるよね」一人で呟き、切れた息を取り戻しながら中に入りました。

時間帯が時間帯なので、店の中に人はあまりいなかった。

私と同じくらいの中学生らしき人もいれば、夕食の材料を調達しに来たと見える、主婦っぽい人もいた。その至って通常の光景を見て、少しだけ気分が落ち着いてきたので、私は先ほど家で起こった事を考えました。

真っ暗な居間、開いていたカギ、そしてあの金属音。

家の中には誰もいなかったはず。アレ以外は。

私が玄関先で母を呼んだ時の、あの家の異様な静けさ。

あの状態で人なんかいるはずがない・・・。

でも、もし居たら?私は玄関までしか入っていないので、ちゃんと中を見ていない。

ただ電気が消えていただけ。

もしかすると母はどこかの部屋で寝ていて、私の声に気付かなかっただけかもしれない。

何とかして確かめたい。

そう思い、私は家に電話を掛けてみることにしたのです。

スーパーの脇にある公衆電話。

お金を入れて、震える指で慎重に番号を押していきます。

受話器を持つ手の震えが止まりません。

1回、2回、3回・・・・コール音が頭の奥まで響いてきます。

「ガチャ」誰かが電話を取りました。私は息を呑んだ。耐え難い瞬間。

「もしもし、どなたですか」

その声は母だった。その穏やかな声を聞いて私は少しほっとしました・・・

「もしもし、お母さん?」

「あら、どうしたの。今日は随分と遅いじゃない。何かあったの?」

私の手は再び震え始めました。手だけじゃない。

足もガクガク震え出して、立っているのがやっとだった。

あまりにもおかしいです。

いくら冷静さを失っている私でも、この様子に気付きました。

「なんで・・・お母さ・・・」

「え?なんでって何が・・・ちょっと、大丈夫?本当にどうしたの?」

お母さんが、今、こうやって電話に出ているはずはない。

私の家には居間にしか電話がないのです。

さっき居間にいたのはお母さんではなく、あのバケモノだったのに。

なのにどうして、この人は平然と電話に出ているのだろう。

それに。今日は随分と遅いじゃない、と。

まるで最初から今までずっと家にいたかのような話し方。

私は、電話の向こうで何気なく私と話をしている人物が、得体の知れないもののようにしか思えなかった。

そして、乾ききった口から、何とかしぼって出した声がこれだった。

「あなたは、誰なの?」

「え?誰って・・・」

少しの間を置き、返事が帰ってきた。

「あなたのお母さんよ。ふふふ」

*幕間*

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